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赤字は売れる財産だった

M&Aでの欠損法人利用節税策に封じ手

買収された欠損法人で、買収後5年以内に、従前の事業を廃止し、その規模を大幅に超える事業を開始した等、一定の事実が生じた場合には、その欠損金の損金算入は制限され、3年以内(買収後5年を限度)に生じる資産譲渡損失も損金不算入とされています。
節税目的M&Aに対して封じ手が打たれた、ということです。
この改正は、平成18年4月1日以後買収された欠損法人について適用されています。


赤字法人の発生は不可避

赤字会社は黒字会社があることによって生じます。利益追求の市場競争の中で、より有利な価格競争をするために、不等価交換・不対等取引・情報不均衡取引・独占寡占取引価格取引などなどはむしろ意識的に追求されています。
資本主義社会では「他の人々が『想定外』に置く事柄をいち早く『想定内』にしてしまった人が儲ける」のであり、高い給料の社員を抱えて、これを養うために、暴利や不当利得と思えるような企業報酬を求めて市場に参入しています。
サービス産業ほど、大企業ほど、その傾向が顕著です。
中小企業の多くが赤字法人になるのも不可避なことです。


赤字法人の売却は租税回避幇助か

税金は黒字法人からとります。
しかし、その黒字は相当部分赤字法人の犠牲の上にあります。
赤字法人の赤字は7年以内の自社の黒字だったら相殺できますが、それだけでなく黒字法人と赤字法人の合併で赤黒の相殺ができたってよいはずです。
赤字の犠牲に乗った黒字と相殺できることによって、赤字法人は価値が生じ、M&Aで売却もでき、赤字の痛手はいくらかなりとも救済されたのです。
赤字法人のこの行為を否定し、赤字の痛手からのささやかな治癒を否定することは、赤字会社の犠牲に乗った租税制度といわざるを得ません。
赤字会社の買収による節税策は租税回避なのではなく、赤字会社への救済策だったのです。
課税は、黒字と赤字を相殺し、その上でなお残る社会の価値の増加部分にのみなされればよいのですから。


2008 年4 月24 日(木)